佐賀県佐賀市に江戸時代後期からの伝統技法が守り続けられているガラス細工「肥前びーどろ」工房があります。
「肥前びーどろ」は、最初、佐賀ガラスと呼ばれていたそうです。
佐賀藩主10代目の鍋島直正が川のほとりに、今でいう理化学研究所を設置したことがガラス細工などが作られルきっかけになったのだそうです。
当時でも珍しいガラス窯を設備し、薬の瓶や酒の瓶など、生活に必要なガラスの器が作られていたそうです。
また、科学実験で使うビーカーやフラスコなども作られていたのだそうです。
ランプや食器類、装飾品類は、明治維新以降に作られるようになりました。
鍋島直正が建てた科学研究所は、ガラス製品を作る民間会社になり、その後、副島氏が副島硝子工業を設立しました。
「肥前びーどろ」のガラス細工技法の特徴は、宙吹き技法の一種であるジャッパン技法にあります。
空気以外のものに触れることがないので、より滑らかなガラス曲線が出来上がり、高品質なガラス製品に仕上げることができます。
今では、ガラスづくりが機械化され、高品質なガラスの器も普及していますが、昔のガラス技法が減少する中でも、江戸後期からの伝統技法を守り続けているのは「副島硝子工業」のみとなりました。
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