今年も朝顔市が盛況だというニュースを見た。
都下で有名なのは入谷鬼子母神の辺りで、来月末には日比谷でも朝顔展が開かれるという。
朝5時頃開場の為、相当早起きしなければ行けない…暑い…しかし園芸好きとして、行ってみたい気持ちはある。
朝顔といえば小学生の夏休みの植物観察の定番だ。
ラッパ型の丸い青い花には、今もどこか懐かしさをおぼえる。
子供の頃、神奈川県西の神社の朝顔市に連れて行かれた(阿夫利か伊勢山かうろ覚えの為検索した結果、どうやら秦野の出雲神社らしかった)。
日よけの簾の下に植木鉢がずらっと並べられ、風鈴が鳴り、いかにも夏休みという雰囲気でわくわくした。
中でも変わり朝顔というのか、葉がまだら模様の物やちりちりした物、花に絞りが入った物、線香花火のような花弁を持つ物など、珍しい花の鉢には1800円などと書かれていて、その高値にびっくりしたのを覚えている。
調べると、江戸後期に二度朝顔栽培ブームが起き、武士から庶民までが新しい花作りに熱中したという。珍種の種や苗が投機対象になったというのは、オランダのチューリップを思わせる。
今も浴衣や扇子や手ぬぐいの柄に朝顔が多用される位だから、当時は大変に愛されたのだろう。
メンデルの遺伝の法則発見より早く朝顔の品種改良が確立された事を知り、江戸時代の園芸のレベルの高さに驚かされた。
一日で散るはかなさを愛でる、日本人の気質にマッチした花だったからかも知れない。
先人の根気よさ、観察力、次代に伝え残そうとした情熱のおかげで、現代に生きる私達が美しい朝顔を見て楽しめるわけで、ありがたいことだと思った。
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