佐賀県武雄市弓野地区に伝わる、博多人形に起源を持つ伝統玩具「弓野人形」があります。
もともと博多に住んでいた人形職人が佐賀県の武雄市に移り住んで、人形つくりを始めたのが「弓野人形」の始まりです。
最初は博多人形にそっくりだったそうですが、時の経過とともに素朴な表情へ変わっていき、弓野地区名がつけられ「弓野人形」と呼ばれるようになりました。
「弓野人形」が節句の飾り人形に紹介されたことがきっかけで、佐賀県内中心に知れ渡るようになり、各家庭で、桃の節句や端午の節句になると「弓野人形」が飾られるようになりました。
床の間に飾る置物としても「弓野人形」の評判が広がり、九州全土から関西地区まで広まり、ある菓子メーカーのおまけとして大量に注文依頼を受けたほど「弓野人形」の評判は高かったそうです。
今では、桃の節句や端午の節句に人形を飾るという習慣が減り、他の人形の登場により、「弓野人形」の需要は減少、伝統を受け継ぎ制作に携わる事業社は数社のみとなっています。
「弓野人形」は、弓野地区の人形で人物像を主体に作られているものが多く、通常の人形よりも頭部は大きめで、色使いも鮮やかなビビットカラーが使われているのが特徴的です。
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