私には学生時代に憧れていた先輩がいました。しかしその当時はただ憧れていただけで、友人とかっこいいと言いながら見て楽しむ程度でした。その先輩は私と同じソフトテニス部に所属していて県大会でも高成績を上げていました。私はそのプレーを見て憧れ始めました。しかし男子と女子は練習場がかなり離れていたことと学年が違うことで特に接点なく学生時代を終えました。それ以降私は先輩をすっかり忘れて気づくと社会人になっていました。
私は社会人になってからもソフトテニスが好きで近くのクラブチームに入り続けていました。しかし小さなチームだったので周りにそのことを知っている人は少なかったのです。そんなある日学生時代の同級生で同じくソフトテニスをしていた男子から連絡がありました。それは私が今もソフトテニスをしていると知り、入れるチームを探しているからでした。その人が住んでいる所と近いということもあり同じチームでプレーするようになりました。それが私にとって大きな出来事の始まりでした。
同級生が入ってから数ヶ月後の練習の時に次の練習の時に先輩も連れて来たいと相談を受けたのです。小さなチームなので人数が増えることは大歓迎ということもあり、次の練習日に同級生は先輩を連れてきたのですがその人が私が学生時代に憧れていた人でした。久しぶりに見る先輩のプレーは昔と変わらずかっこよくて学生時代に戻った気分でした。しかし学生時代と違い一緒に練習や大会に出るのでただ見て憧れていた時より近い存在になっていったのです。しかしその時はまだ学生時代と同じで恋愛関係はなく、かっこいいと思い憧れているだけでした。
そんなある時同じ大会に出場する事になりました。そして自分の試合が終わり他の人の試合を見に行くと先輩が準決勝に出場していました。同じチームの人は試合などで誰も来ていなかったので1人で見ていたのですが、その試合に勝つと先輩は私の方を向きピースしてくれたのです。その後会うと｢お前のおかげでまた試合出れて楽しいよ。今更だけどありがとな｣と言いながら私の頭を撫でたのです。それ恋に落ちた瞬間でした。赤面しながら頷く私を笑いながら頭を撫でていました。先輩は私の同級生とペアだったので同級生にも笑われていましたがそれが気にならないくらいドキドキしたのを今でも覚えています。ずっと憧れていた先輩に頭を撫でながらあんなことを言われたら恋に落ちないわけありません。この時テニスを続けててよかった、同級生に感謝かもと密かに考える程大きな出来事だったのです。
まさかソフトテニスがきっかけで再会するとは思っていませんでした。恋に落ちた瞬間にそれを運命なのではないか、とまで考えました。それと同時に何がきっかけになるかわからないなとも思うようになったのです。そして恋に落ちてからはチームの練習にも欠かさず参加し、先輩との距離を必死に縮めたのは言うまでもありません。
【特別版】美女を落とすための会話術～マインドコントロールの一歩手前まで
