割と男性に多いというイメージがあるいびきですが、近年ではいびきに悩まされる女性も増加傾向にあります。
今回は、女性のいびきの原因や改善方法について見ていきましょう。
☆いびきをかく割合は男性のほうが高い
大多数の人が、「いびき=中年男性」というイメージを持っていることでしょう。
いびきの大きな要因は、気道が狭くなることです。
その大きな原因として挙げられるのが、肥満体型・過度な飲酒です。
肥満体型の人は喉にまで脂肪が付いて軌道が狭くなっている可能性があり、過度な飲酒は舌や喉の筋肉を弛緩してしまうことで軌道が狭くなります。
その結果、いびきをかきやすくなるのです。
肥満体型や過度な飲酒は、中年男性に多くみられることですから、このイメージは理にかなっているともいえるでしょう。
女性の場合、女性ホルモンの働きによって男性よりもいびきはかきにくい傾向にあり、睡眠時無呼吸症候群の患者数も圧倒的に男性のほうが上回っています。
☆女性のいびきの背景には社会進出が
しかし、近年ではいびきをかく女性が増加傾向にあります。
50代前後になると女性ホルモンの分泌が減少してくるので、この程度の年齢の女性がいびきをかくのは以前からあったことですが、20代30代という若い女性のなかでいびきをかく割合が増えているのです。
その大きな原因として考えられているのが、「ストレス」「生活習慣」です。
女性が社会に出て活躍するようになった近年では、男性だけでなく女性も大きな社会的ストレスを抱える人が増えていて、また、社会で活躍する機会が増えたことで生活習慣が乱れている人も増えています。
これらは自律神経に大きな影響を与え、いびきをかくことにつながっているともいわれています。
さらに、現代の女性は昔に比べて小顔の人が増えています。
小顔の人はアゴが小さく、アゴが小さいと睡眠中に舌の根元が軌道に落ちやすくなります。
そうすると、軌道が狭くなってしまっていびきをかくことにつながるのです。
☆いびきの原因を取り除くことが改善への第一歩
いびきをかく大きな要因は軌道が狭くなることを挙げましたが、軌道が狭くなる原因は人それぞれです。
先述したように、肥満体質であったり過度の飲酒であったり、アゴが小さいというものもありました。
まずは、自分のいびきの原因を知るところから改善へと役立てていきましょう。
〇チェックポイント
・慢性的な鼻炎がある
・肥満体質
・二重アゴ
・アゴが小さい
・口呼吸がクセ
・仰向けで寝ていることが多い
・寝酒の頻度が高い
・睡眠薬を服用している
・扁桃腺がよく腫れる
このチェックリストに挙げた内容は、すべて軌道を狭くする原因になる事柄です。
該当するものがあるのであれば、ひとつひとつ改善していくことで、いびきをかく頻度を減らしていくことが期待できます。
☆医療機関を受診すべき基準とは
上記に挙げたようなことが原因でいびきをかいているのなら、セルフケアでの改善が期待できますが、該当する事柄がないのにいびきをかく、改善を試みても成果が見られない場合は2つの可能性があります。
まず1つが、睡眠中に呼吸が断続的に止まる「睡眠時無呼吸症候群」です。
これは同室で過ごす人がいれば教えてもらえますが、ひとりの場合は以下を参考にしましょう。
・日中に我慢がきかない睡魔が毎日襲う
・体を動かしていても寝てしまう
・朝の頭痛に悩まされている
もう1つが、「上気道抵抗症候群」といって、睡眠時無呼吸症候群と同様に酸素不足で睡眠中に脳が何度も覚醒してしまうものです。呼吸が止まるようなことはないので、同室で過ごす人がいても気づけることは少ないかもしれませんが、上記で挙げたような自覚症状が出ることもあります。
この2つが疑わしい場合には、セルフケアでの改善は難しいので、早めに医療機関を受診しましょう。
☆いびき=男性とは言えない現代
女性が社会的に活躍する場面が増えてきたことで、知らず知らずのうちにストレスを受けたり生活習慣が乱れたりと、いびきをかく要因が増えてきています。
以前のように「いびき=男性」とは言い切れない現代です。
まずは、自分のいびきの原因を探り、そこを改善していくことからはじめてみましょう。