不妊症の一つに多嚢胞性卵巣症候群

不妊症の一つに多嚢胞性卵巣症候群があります。長い名称なので、英語表記を略してPCOSと呼ばれています。
PCOSとは、卵胞が排卵出来る大きさに育たないために排卵障害が起こってきます。長い間、無月経だったり、基礎体温が低温層のまま一定だったりする場合は、PCOSの可能性が高いです。排卵されなかった未成熟な卵胞が卵巣に連なって残っていて、それはネックレスサインとも呼ばれています。
PCOSの診断は、無月経である事や超音波検査をして卵巣にネックレスサインがある事、それから血液検査をして、ホルモンに異常がないかを調べて行われます。
排卵をしないという事は、いくらタイミングをとっても妊娠は不可能という事になります。PCOSの方で妊娠を希望している場合は、排卵誘発剤を服用して卵胞を育てていきます。卵胞が大きく育ったらHCG注射を打ちます。排卵誘発剤では、卵胞が育たないという場合は、HMG注射で卵胞を育てていきます。月経が来たら、また同じ治療を繰り返していきます。
排卵誘発剤は、長期服用をすると子宮頚管粘液が減ってしまったり、子宮内膜が薄くなってしまい着床しづらいという事も分かって来ていますので、ある程度排卵誘発剤を試しても排卵こそはするものの妊娠に至らない場合は、ステップアップするか休薬を試みてみる事になります。ステップアップは、人工授精から体外授精になります。
PCOSの方でも自力排卵があるケースも見られます。そういったケースは、軽度の部類ですので排卵誘発剤なしでも自然妊娠の可能性はあります。PCOSでも軽度~重度まで様々ですので、治療法も異なってきます。
妊娠を希望されないという方は、3ヶ月に1度服薬をして、人工的に月経を起こす事が大切です。無月経を長い期間、放置しておくと子宮がんリスクを高めてしまいます。定期的に婦人科に通う事が大切ですし、子宮がん検診も受ける心掛けが大切です。
PCOSの方でも、薬なり注射なり医療の力を借りて、妊娠出来たケースも沢山あります。不妊治療は、「いつ子供が出来るのだろうか」とか「もしかしたらこのままずっと出来ないのではないだろうか」と思ってしまったり、出口の見えないトンネルをくぐっているようで、不安になってしまう事もあるかもしれません。でも諦めずに不妊治療を続けたからこそ、子供を授かれた先輩ママさん方が沢山います。不妊治療をしてやっと授かったママさんは、子供にかける愛情もきっと大きいと思います。そんな内に秘めた愛情を持っている方が、子供を授かれる日もそう遠くないと思います。希望を持って、不妊治療に望めたら良いですね。