私のいちばん恥ずかしいことは、ひとつだけではありません。
ふたつあります。
ひとつは、中学生の頃のことです。
制服の下にふだん着ているスカートとブラウスを着て学校へ行ってしまった
ことです。
熱を出していたので病院へ行ってからだったので
頭がまわらなかったのでしょう。
あまりの暑さにトイレで気づいたので、あわてて着替えたのを覚えています。
恥ずかしいくて、青ざめました。そして、顔も真っ赤になってしまい、「どうしたの」の問いに「熱があったから病院に行ってきたから」とごまかしました。
もうひとつは、「定期券」を何度も公衆電話にさしこんで使えずに悩んでいたことです。
テレホンカードと間違えていたのです。
振り向くとうしろは、長い列でした。ずっと話していたフリをして
「たくさん並んでいるからあとでまたかけるから」
と言ってその場を立ち去りました。
今はそういうことはほとんどなくなりました。
どうにもならない、ごまかせない、ことはありません。
どんなにいちばん恥ずかしいことはあっても
なんとかカバーできていますね。
生活をしていると、ひとによっては「いちばん恥ずかしいこと」の基準は全く違うと思います。
でも私にとっては今ふりかえてみても、
いちばん恥ずかしいことはこのふたつのことだけ
が記憶の中にあります。