私の一番恥ずかしかった経験…それは中学三年生のことでした。
私は夢中になっていた部活のテニス部を引退して、高校受験に向けて勉強を開始したときです。
今でもあるかは分かりませんが、志望校の合格判定をしてくれる模試がありました。
私はずっと部活一筋できましたから、その時までそんな模試の存在すら知らなかったのです。
10月の模試は参加人数が多いから受けた方がいいと友達に誘われて受けたのが初めての模試でした。
模試会場は男子校でした。高校の校舎で試験を受けるだけでもドキドキなのに、男子校なんて。
女子中学生にとって未知の世界で非常に緊張したことを覚えています。
そんな環境のなか静まりかえった教室で私のお腹が大きな音でグーとなってしまったのです。
テストを受けているのですから、カリカリという鉛筆の音と時計の音だけが聞こえるなか、グーというその音は教室中に響きました。
それだけなら一番恥ずかしい経験にはなりません。
隣の席の見知らぬ他校の男子が、その音を聞いて吹き出したのです。
思春期で傷つきやすい年頃の私は非常にショックを受けました。
恥ずかしくて、後のテストの答えなんて考えられませんでした。
今ならなんだそんなことと思うのですが、やっぱり知らない人に笑われたのが一番こたえました。