思えばわたしの青春そのものが、アイシスに積み込まれていた。
「アイシス;isis」は2004年から販売されているトヨタのミニバン。見た目はコンパクトだけど、7人乗れる。助手席側のスライドドアを開けると、遮られない景色が見ることのできる「パノラマオープンドア」が搭載されている。
出会ったのはもう10年近く前になるでしょうか。それまで、我が家は5人乗りの乗用車だった。ある時両親が車のカタログをいくつも並べて見比べていた。子どもの成長に合わせて買い替える予定だったらしい。
車のことなんてちっとも分からなかったけど、アイシスという名前の響き、かっこいいけど落ち着いた丸みのあるフォルム、パノラマオープンドアや豊富にアレンジできるシート。そのどれもが魅力的に思えて「これがいい!」なんて一丁前に言ってたっけ。
数週間後、アイシスが我が家にやってきた。
それから今まで。中学生の時は部活の試合の度に、泥と汗にまみれて乗りこんだ。引退試合で負けた時も、人前では涙一つ流さなかった。だけどグランドを後にし車に戻った時、堰を切ったように涙した。
高校生という多感な時期も、毎朝のように通学で父の横に座った。車の中だったら普段は話さないことも、なぜか話せて不思議だった。
車の中が揺れるほど喜んだのは、大学の合格発表の当日。運転する父の横で母に急いで報告した。
気づけば青春の思い出には、常にアイシスがいたことに気づいた。
わたしもいつか家族ができて、車を買う時がくるのかな。その時アイシスみたいな車に出会いたい。
潜在数秘術 初級動画セミナー。自然に自分の能力を発揮しませんか?
コメント